なぜ「冬」に仕込む味噌は、昔から大切にされてきたのか
「寒仕込みの味噌が一番いい」
そんな言葉を、耳にしたことはありませんか。
今ほど情報も設備もなかった時代から、日本では
味噌は“寒い時期に仕込むもの”として受け継がれてきました。
それは迷信でも、気分的なものでもなく、
味噌をおいしく、安全に、そして体に役立つものに育てるための知恵です。
麹の専門店レッドクローバーでは、毎年この季節になると
寒仕込みの味噌を求めるお客様が増えていきます。
今回は、
・味噌の寒仕込みとは何か
・なぜ冬に仕込むのか
・味噌が日本で大切にされてきた理由
・体にどんな働きをもたらすのか
を、わかりやすくお伝えします。
味噌の寒仕込みとは?
**寒仕込み(かんじこみ)**とは、
1月〜2月の、最も寒い時期に味噌を仕込むことをいいます。
冷蔵庫のなかった時代、
発酵食品は「自然の温度」に委ねるしかありませんでした。
その中で、人々が選んだ最適な時期が「冬」だったのです。
寒い時期は
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雑菌が増えにくい
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発酵が穏やかに進む
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麹菌が安定して働く
という、味噌づくりにとって理想的な環境が自然に整います。
なぜ寒仕込み味噌は美味しくなるのか
発酵がゆっくり進むからこそ、味が深まる
気温が低い冬は、発酵が一気に進みません。
そのため、麹の酵素が時間をかけて大豆を分解し、
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旨み
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甘み
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まろやかさ
が、自然に引き出されていきます。
短期間で作られた味噌にはない、
角の取れた、やさしい味わいが生まれるのが寒仕込み味噌の特徴です。
春と夏を越えて、味噌は完成する
寒仕込み味噌は、仕込んですぐに完成するものではありません。
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冬:静かに眠る
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春:少しずつ発酵が始まる
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夏:発酵が一気に進む
という、日本の四季そのものを通して育ちます。
この「時間を味方につける発酵」こそが、
昔ながらの味噌づくりの本質です。
味噌の歴史 〜なぜ日本人は味噌を食べ続けてきたのか〜
味噌の原型は、約1,300年前に中国から伝わった
「醤(ひしお)」といわれています。
そこから日本の風土に合わせて進化し、
平安時代には、貴族や僧侶の保存食として重宝されました。
戦国時代になると、
味噌は兵糧(ひょうろう)として各地で仕込まれます。
理由は明確で、
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保存がきく
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栄養価が高い
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少量でも体力を支える
まさに「命をつなぐ食」だったからです。
江戸時代には庶民の食卓に定着し、
「一汁一菜」の中心として、毎日の暮らしを支えてきました。
味噌が体にもたらす働き
味噌は、単なる調味料ではありません。
発酵によって生まれた、栄養のかたまりです。
発酵によって栄養が吸収されやすくなる
大豆はそのままでは消化しづらい食材ですが、
麹の力によって分解されることで、
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たんぱく質
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アミノ酸
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ミネラル
が、体に取り入れやすい形になります。
腸内環境を支える発酵食品
味噌には、
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麹菌
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乳酸菌
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酵母
といった発酵由来の成分が含まれています。
毎日の味噌汁は、
無理なく腸内環境を整える習慣として、昔から続いてきました。
塩分だけでは語れない、味噌の力
「味噌は塩分が多いから控えたほうがいい」
そう言われることもあります。
しかし、味噌は
塩分だけでなく、カリウムや発酵成分を含むため、
体内での働きは単純な“塩”とは異なります。
だからこそ日本人は、
長い歴史の中で味噌を食べ続けてきたのです。
市販の味噌と、寒仕込み味噌の違い
市販の味噌は、安定した味と供給を目的に作られています。
一方、寒仕込み味噌は、
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長期熟成
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自然な温度変化
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生きた発酵
を大切にしています。
同じ「味噌」でも、
作り方と時間のかけ方で、役割が変わると言っても過言ではありません。
寒仕込み味噌のある暮らし
寒い冬に仕込んだ味噌を、
春、夏、秋と見守りながら使っていく。
それは、
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食と向き合うこと
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自分の体を労わること
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日本の知恵を日常に取り入れること
につながります。
麹の専門店レッドクローバーでは、
味噌を「特別なもの」ではなく、
毎日の暮らしに寄り添う存在としてお届けしています。
この冬、
日本の知恵が詰まった「寒仕込み味噌」を、
ぜひ暮らしの中に取り入れてみてください。
▶ 味噌・麹調味料の詳細は
麹の専門店レッドクローバー公式オンラインストアをご覧ください。
